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?X. 結果
アンケー1で得られた結果を、まず結果の概要で対象の属性を示し、以下仮説の順に述べる。
結果の概要
配布数2183名、回収数2046名、回収率93.7%、有効回収数2006名、有効回収率98.0%であった。居住地は県内1781名、県外209名であった。出産予定施設別では、病院1313名(65.9%)、診療所641名(32.2%)、助産所38名(1.9%)であった。対象の年齢は17歳から44歳で、平均28.9歳で、初産婦27,5歳、経産婦30.3歳であった。初産婦979名(49.6%)、経産婦995名(50.4%)で、経産婦の内訳は1経産649名、2経産268名、3経産65名、4経産11名、5経産2名であった。職業は専業主婦1327名(66,9%)、フルタイムの勤務387名(19.5%)、パートタイムの勤務101名(5.1%)、自営業98名(4.9%)、その他71名(3.6%)であった。学歴は中学校卒88名(4.4%〕、高等学校卒960名148.1%)、専門・短期大学卒743名(37.3%)、大学卒以上188名(9.4%)、その他正5名(0.8%)であった。

 

1. 仮説1:(分娩環境は、すでに受診している施設を選択した理由がニーズと一致するであろう)
出産場所を選んだ理由を全体でみると、「緊急に対応できる」1176名(59.1%)が最も多く、次いで「近い、交通の便がよい」1073名(53.9%)、「評判がいい」946名(47.5%)の順であった(表1)。これを施設別(病院・診療所・助産所)でみると、病院では「緊急に対応できる」、診療所では「近い、交通の便がよい」「入院施設の設備(部屋等)が充実している」「評判がいい」、助産所には「評判がいい」「夫立ち合い分娩ができる」「自分の考えているお産ができる」「費用が安い」(各項目共P<0.01)と回答している者の割合が高かった(表1)。次に初・経産別では、初産婦は「評判がいい」(P<0.01)、経産婦は「自分の考えているお産ができる」(p<0.01)、「入院施設の設備(部屋等)が充実している」「費用が安い」(いずれもp<0.05)ことで出産場所を選ぷ割合が高く、他の項目では差はみられなかった(表2)。
出産時に過ごす部屋を全体でみると、「ベッドやシーツ類が清潔でここちよい」1664名(83.6%)が最も多く、次いで「プライバシー(カーテンなど)に対する配慮がされている」1657名(83.2%)、「部屋に洗面所・トイレがある」1606名(80.7%)などであった(表3)。これを3施設間でみると、病院・診療所では「ベッドやシーツ類が清潔でここちよい」「プライバシー(カーテンなど)に対する配慮がされている」「部屋に洗面所やトイレがある」(いずれもP<0.01)ことで出産場所を選んでいる者の割合が高く、一方、助産所では「シャワーやお風呂がある」(p<0.01)で選んでいる者の割合が高く、「部屋が整理されゆったりすごせる」「照明や室温が自由に調節できる」「ソファーやクッションなどリラックスできるものがそろっている」で選んでいる者の割合が低かった。3施設間で差がみられなかったのは、「ラジオや音楽を自由に聴くことができる」のみであった(表3)。
さらに、初・経産別にみると、有意差(P<0.01)があった項目は、初産婦で「ベッドやシーツ類が清潔でここちよい」「シャワーやお風呂がある」ことで出産場所を選択している者の割合が高く、他の項目では両者間に差はみられなかった(表4)。
出産する部屋を全体でみると、「分娩台」1504名((76.4%)の希望が最も多く、次いで「ベッド」324名(16.5%)、「水中・風呂」58名(2.9%)、「たたみ」44名(2.3%)、の順であった。その中で「たたみ」希望は助産所が19名(43.2%)

 

 

 

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